AW11  ミッションオイル漏れ 修理作業の紹介です。

★AW11 ミッションオイル漏れ修理★


当店の走行会にいつも参加してくれているnakami君のAW11。
最近「KP61ボロ2号」が参加しなくなっているので
店長の「AE86ボロ1号」と2台で「ボロクラス」を守っています・・・

その「AW11ボロ3号」にトラブル発生!
サーキットを走行中にクラッチが滑りはじめてしまいました。
「こりゃ、マズイ」とピットインしたのですが・・・
車の下を覗いてみると、なんとオイルがベットリ。
臭いからするとどうやらミッションオイルのようです。
エンジンとクラッチハウジングの間から漏れてきているようです。

そこで車をジャッキアップして確認することにしました。
クラッチハウジング下部分に付いている半月状のカバーを外してみたところ・・・
「コロン」・・・ ん、何か落ちてきたゾ。



 

なんとグチャグチャに変形したボルトじゃないですか。
「なんでこんなボルトが?」
「いったいどこのボルトなんじゃ?」
つぶれたボルトをよ〜く観察してみると
どうやら「トルクス」のボルトのようです。



 

クラッチハウジング内部で「トルクス」を使っているといえば
ココぐらいしか思いあたりません。
でもこのボルトが緩んだぐらいでオイルが漏れるはずはないし・・・
まさかボルトが緩んだことでリテーナーがズレて
オイルシールが逝ったとも考えにくいし。
そもそもリテーナーがズレたのなら
クラッチペダルにフィーリングの変化があるはず。
いろいろ考えても原因が思いつきません。
とりあえずこの状態ではサーキット走行は出来ませんので
早々に引き上げて入院となりました。



 

さっそくミッションを降ろしてみると・・・
クラッチハウジング内部には
ボルトが暴れまわった形跡がありありと。



 

「ビンゴ〜〜!」
出てきたボルトはやはりリテーナーの固定ボルトでした。
前オーナーがミッションをオーバーホールしていたらしいので
その時の締め付けが弱かったんでしょうかね。

しかし残りの2本はしっかりと締まっていて
リテーナーもズレていません。



 

リテーナーを外してオイルシールを確認します。
キズなどは全く無いしキレイなもんです。
オイルが漏れた形跡も見られません。
「じゃあ、どっから漏れたの???」
他にはクラッチハウジングにオイルが漏れるようなところは
無いはずなんじゃけどなあ。



 

で、他の部分をじっくりとチェックしていると・・・
ん、ココ穴が開いてない?

そうです、なんとクラッチハウジングのケース自体に
穴が開いていたんですねえ。
おそらく外れたボルトがクラッチカバーあたりに挟まったまま
ケース内を回されてガリガリと削っちゃったようです。
しかもこの部分は他のところより少しだけ出っ張っていたようで、
ちょうどマズイところに当たってしまったんですねえ。
もう少しどちらかにズレていれば助かったのかも・・・



 

とりあえずこのケースはもう使い物にならないので
オーナーが持っていた予備のミッションと交換することに。
ところがケースが逝っちゃったミッションはオーバーホールしたばかり。
スペアのミッションは要オーバーホール時期のシロモノ。
そこで2機のミッションをバラして
中身を入れ替えてやることになりました。



 

この形式のミッションは5速ギアの圧入が硬くてバラすのがたいへんなんです。
プーラーの爪は曲がっちゃうし・・・
今回も5速ギアはものの見事に欠けました。
ディーラーに聞いても
「キレイに外すのは絶対無理!ウチでもいつも新品に換えますよ。」
と、力強いお言葉・・・
当然今回も新品交換です。


 
 

オイルシールも新品にしてやります。
このへんをケチって後からオイルが漏れるとサミシ〜ですから。



 

無事ケース交換(中身交換?)が終了です。
あとは載せるだけですね。
おっと、その前にクラッチのチェ〜〜ック!



 

クラッチカバーはキズまみれ。
ボルトがグチャグチャになるぐらい暴れたんだから当然ですけど・・・
でもキズが付いているのは外側のケースだけでした。
プレッシャープレートやダイヤフラムスプリングには
キズは入っていないので再使用できそうです。
ディスクにもキズはありませんでした。

どちらもオイルがベットリ付いていますが
しっかりと洗浄すれば大丈夫でしょう。
今回はメタルディスクだったので助かりましたが
フェーシングだったらオイルが染み込んで使えなかったでしょうね。



 

フライホイールもキズは無く、全然OK! 
もちろんしっかりと洗浄してやりましたけどね。



 

クラッチの装着完了です。
キズまみれのカバーが痛々しいですが
どうせ見えなくなるとこですし・・・


作動に問題なければOKですよね。
作業後、今のところクラッチ滑りなどの不具合はでていません。


それにしてもたった1本のボルトの緩みが
大きなトラブルの原因になってしまいました。
ウチも人ごとだとは思わず、気を引き締めなおしてっと・・・


今回、「つぶれたボルトの写真」(1枚目)と
「修理書の絵」(2枚目)はオーナーさんが運営しているサイトから
かってにいただいてきちゃいました。
(ゴメンネ!nakami君!!)
お詫びにリンク貼っときますね。
AW11のツーリングやミーティングの情報も満載です。