スイフトスポーツ LSD 装着作業の紹介です。

★スイフトスポーツにLSD装着★


今や死語となってしまった「テンロクスポーツ」!
1980年代には各メーカーが1600ccDOHCのスポーツモデルを
競うように発売していたんですけどねえ。
ロードスターが2000ccとなった今ではスイフトスポーツが
唯一の「
テンロクスポーツ」になっちゃいました。

あの頃はモータースポーツのクラス分けが
1600cc以下で区切られていたのも大きな要因だったんでしょうね。
今ではクラス分けも大きく変わったので
1600ccで発売する意味も無いんでしょう。

まあ、考えてみれば1500ccの車よりほんのちょっとだけ
排気量が多いだけなのに自動車税は2000ccと一緒だし
今の時代には受け入れられにくいクラスなんでしょう。

テンロク」と同じように「ボーイズレーサー」とか「ホットハッチ」って
言葉も今では死語になっちゃってますよね。
そんな中スイフトスポーツは全部に当てはまるってのがおもしろい!

レスポンス良く回る気持ちのいいエンジンに
小柄で軽量なボディでキビキビ走れる!
そんな「
ボーイズレーサー
」が昔はいっぱいあったのになあ・・・

スターレットにレビン・トレノ、シビック・CR−Xにパルサー・ミラージュ・・・
今スイフトスポーツ以外で探すとなると
ヴィッツRS・マーチSR・コルトVerRぐらいですかね。
ただ車重は1トンを越えちゃってますので
昔の車のようにキビキビってのは無理かもしれませんが。

最近の衝突安全ボディを考えると、車重が重くなるのは
仕方の無いことなんでしょうけれども・・・
なにしろKカーでも1トン近い車があるんですから。

KP61なんか車重は700kgですよ、700kg!
そんだけ軽かったからたった1300ccのOHVエンジンの
しょぼいパワーでも楽しめたんでしょうね。
今となってはOHVなんて機構のエンジンはおろか
2バルブのエンジンすら無くなってきましたもんねえ。

おっと、関係の無い話が長くなっちゃいました。
肝心のスイフトスポーツですが
希少な「
テンロクスポーツ」の楽しさをさらに引き出すため
LSDを装着することになりました。

スズキ車の強みのひとつに「スズキスポーツ」が
すぐにパーツの対応をしてくれるんですよ。
今回のLSDも本体は前型用を流用して
新型のミッションケースに合わせるためのスペーサーを
セットにしての発売となっています。

商品が入荷したので作業開始です。




まずはミッションを降ろします。
普通の機構のFF車ですからさほど難しくはありません。
意外とワゴンRのほうが面倒だったりするんですよねえ〜。





5速ギアを外してミッションケースを開けます。
このあたりはどのメーカーもほとんど同じような構造です。
ギアの固定がナット留めだったり、スナップリングだったりといった
細かい違いは多少ありますけどね。





ミッションケースを開けると、車は違えど見慣れた光景が。





いつものようにミッションをセットで抜き取ります。





邪魔者が無くなったところでケースからノーマルデフを外します。





と、ここでいつもと違う事を発見。
「ありゃりゃ、スピードセンサーのドライブギアが付いて無いゾ!」
通常FF車だと矢印の部分あたりに
左下の写真のようなギアが付いていて
このギアをノーマルデフから外してLSDに付け替えるんです。
ところがこの車にはそのギアが無いじゃないですか!

 




不思議に思いながらミッションケースを見てみると・・・
スピードセンサーがはまっているであろうと思われる箇所に
穴は開いているんだけど肝心のセンサーは見当たりません!





ケースの外側を見るとセンサーのはまる穴は
しっかりとメクラ蓋がされていました。
(ミッション降ろす時に気付けヨ!って話かも・・・)

最近の車はABSのセンサーが4輪に装備されているので
そちらから車速を拾っているのかもしれませんね。





こちらがセット品の内容です。
なんとミッションオイルまで付属で付いてきてます。
至れり尽くせりですねえ。





これがスイフトスポーツ専用のスラストワッシャー(スペーサー)です。
ちゃ〜んと説明書も付いています。





まずスラストワッシャーをミッションケースにはめこんで





サイドベアリングのアウターレースを圧入します。
これによりLSDのセット位置が上方向にズレて来るってことです。
(車に装着した状態だと横方向ですけどね)





ノーマルデフとLSDの比較です。
LSD本体は前型車と共通の物なので 、矢印の部分に
スピードセンサーのドライブギアをはめこむ段差が付いています。



 

新品のサイドベアリングをLSDに圧入します。





ノーマルデフから取り外したリングギアを
LSDに付け換えてやります。





キレイに清掃したケースにLSDをはめ込みます。
この後一旦ケースを仮組みしてプリロードを調整します。





プリロード調整が終ったら再度ケースをバラして組付けにかかります。





後は外した部品を元通りに組付けていけばOK。
組みあがったミッションを車に載せれば完成です!


一昔前はFF車でLSDを装着するのはジムカーナ車輌がほとんどでした。
快適装備を省いた競技ベース車が多かったんです。

そいった車にLSDを装着するとどうなるか・・・
パワステが付いていないもんだから、アクセルを踏むと

ハンドルがグイッ〜〜と取られちゃうんです!
しかもLSDのイニシャルトルクを上げてあったりするもんだから
街乗りは勘弁して〜〜!って感じになってました。


今ではパワステの付いていないFF車なんていないでしょうから
LSDを装着しても何の心配もありません。

当然ながら操縦性は変化しますので慣れは必要ですけどね。
これはFF車もFR車も一緒の注意点ですが・・・

やはりスポーツ走行にLSDは必需品ですよね。
アクセルの踏み具合に応じてグングン加速していく感覚は
ノーマルデフじゃあ味わえないですもんね!