スイフトスポーツ LSD クロスミッション 装着作業の紹介です。

★スイフトスポーツにLSD&クロスミッション装着★


さあ、今回もお得意の駆動系チューニングです。
今や数少なくなったコンパクトスポーツの「スイフトスポーツ」!
その走りに磨きをかけるため
LSDとクロスミッションの装着です。

今回チョイスしたLSDは
ATSカーボンLSD
このLSDはソフトな摩擦特性で扱いやすいのが特徴です。
また機械式LSDにつき物の「バキバキ」音がほとんどしないんです。

この車のオーナーさんは、ジムカーナとかをしてるわけじゃないし、
サーキットも走らないので、扱いやすいっていう点を
重視してえらんでみました。

街乗りで気持ちよくスポーティーに走りたいという人にとって
ちょっとしたアクセルのオン・オフで動きが変わったり
しょっちゅうバキバキいうのは、あまり嬉しくないですもんねえ。

そしてクロスミッションのほうはと言いますと
スズキスポーツスーパークロスギアセット

このクロスは1速のギア比を変更して2速に近づけてやり
ファイナルのギア比をローギアードにして
全体的に加速重視にするっていうものです。

ギア比の違いはと言いますと・・・

  T型 U型 スズスポ
1速 3.545 3.250 2.588
2速 1.904
ファイナル 4.235 4.388 5.176

2速〜5速の各ギア比は全て共通となっています。
これをみると純正でもT型からU型へのマイナーチェンジで
同じ方向性の改良が行われているのがわかります。
ただ、あくまでも純正ですので変更の幅はかなり少ないです。

さらに、各ギアにファイナルを掛けた数値をみてみると・・・
  T型 U型 スズスポ
1速 15.013 14.261 13.395
2速 8.063 8.355 9.855
3速 5.959 6.174 7.283
4速 4.506 4.669 5.507
5速 3.748 3.883 4.581

この数値が大きいほど加速重視のギア比ということになります。
1速はT型が1番加速重視なギア比なのに
2速以降は反対に1番加速しないギア比になっています。
つまり1〜2速間のつながりが悪く、1速でレッドゾーンまで引っぱっても
2速にシフトアップすると失速するってことですね。

1速で7000rpmまで引っぱって2速にシフトアップした時の
回転数(いわゆる回転落ち)をみると解りやすいですね。
あくまでも計算上ですが・・・

T型 U型 スズスポ
3760rpm 4101rpm 5150rpm

なんとT型とスーパークロスギアでは1390rpmもの差があります。
これだけ違うと楽しさにも大きな差が出ますよねえ。
クロスギアだとパワーバンドを外さない走りができますね。

ただし、ネックとなる部分もあります。
上のファイナルを掛けた数値をみてみると
クロスギアの5速は純正の4速と変わらないギア比になっています。
つまりは1〜5速を純正の1〜4速のギア比の中に収めてるってことです。

それのどこがマズイのかって?
高速走行の時に今までの5速が無くなったのと同じなんです。
エコの面から言えば、時代に逆行してるかも・・・
また、最高速も5速7000rpmで180km/h出なくなります。(計算上)

街中で気持ちよく走れるほうがいいのか、
最高速が伸びてくれるほうがいいのか、
これはオーナーの判断&好みによりますよね。


前置きが長くなりましたが、いよいよ作業開始です。




今回の車輌は納車したてのバリバリの新車です。
ごらんのようにミッションもメチャメチャきれい!
作業するほうとしても気持ちがいいです。





さあ、ミッションをバラしにかかります。





構造的には一般的なFF用ミッッションですね。





これがクロスギアのセットです。





さすがはスズキスポーツ!
ベアリングやオイルシール・ボルト等の
純正部品の数々もキットの中に入っています。





ファイナルギアの比較です。
純正に比べて微妙に小さいのがわかりますかね?

 




これはカウンター側の1速ギア。
こちらは大きさの違いがはっきりとわかりますね。
ギアの歯の角度も全然違います。





カウンターシャフトに各ギアを組付けます。
2速以降のギアは再使用になります。





お次はインプットシャフト!
インプット側のギアは1・2速とリバースがシャフトに直切りとなっているので
1速のギア比を変えるにはシャフトごと交換となります。
FF車のミッションはこの直切りタイプが多いですね。





今度は純正よりもギアが大きくなっています。
こちらも当然ながら歯の角度が変わっています。





インプットシャフトの完成です。





向かって左側がカーボンLSDです。
ファイナルギアのデフへの固定方法が
純正と反対向きになっています。





LSDをミッションケースにはめ込みます。



 

続いてミッションのギアをセットします。





カバーを被せてボルトで固定。





このシムはデフのプリロード調整用です。
あらかじめ仮組みをした状態で測定して、シムの暑さを決めています。





今回はクラッチとフライホイールも交換です。
バリバリのド新車ですから全くチビていませんね。





スズキスポーツの軽量フライホイール。
エンジンレスポンスのアップには欠かせないアイテムです!

 



クラッチはクスコのカッパーシングル。

新素材を採用したこのクラッチは
純正と同じように扱いやすく、スポーツ走行にも対応したスグレモノ。

本格的にサーキットやジムカーナをするのなら
メタルクラッチのほうがイイんでしょうが、

メタルは半クラがやりにくく扱いづらいですからね〜。  

 



ミッションを載せて完成です。

さあ、オーナーのインプレッションです。
1速がハイギアードになってるのは、慣れれば何の問題も無いレベル。

1〜2速のつながりはバツグン!
2速以降の加速も今までとは全然別物になっており

このあたりは大満足!!

ただ、高速走行はやはりキツイらしい。
それなりのスピードを出そうとすると、かなりの高回転になっちゃいますから。

「180km/hも出ないんですよ〜。」
やっぱり?! ここは計算どおりだな・・・

スズキスポーツは1〜2速のつながりにこだわったんだと思うのですが
もう少しストリート向きにギア比の設定をしてもよかったのでは・・・
まあ、これもそれぞれの好みではありますが。