S2000  ハイカム 装着作業の紹介です。

★S2000にハイカム装着★


「ARf8710NSX」でおなじみのS社長。
サーキット走行用車両の2号車としてS2000を購入しました。
NSXのチューニング内容を見れば予想がつくように
S2000もノーマルで乗るはずがありません。
 
足回りやブレーキパットが一通り終わったところで
ついにパワーアップに着手です。
2リッターNAとしては最速の部類に入るS2000ですが
比べる相手が悪すぎます。
なにしろS社長のNSXはエンジンも内部までアレコレやってあって
かなりのパワーがでていますからねえ。

そんなNSXと同じパワーは求めないものの
ノーマルパワーには全く満足していません。
当然ながらマフラーやEXマニは交換済なんですけどね・・・

エンジン自体はピストンの交換などで圧縮比を
  アップさせてあったので、カムをハイカムにすれば
効果大でしょうということで、さっそく実行にうつしました。

選んだハイカムは「戸田レーシング」製です。
作用角が数種類あるんですが、一番純正に近いタイプを選びました。
バルブスプリングも「戸田レーシング」の強化品。
ヘッドの面研などもしてあるので、バルタイも狂っているでしょうから
カムギアも調整式のものに交換します。



 

基本的にはNSXやシビックと同じようなV−TEC機構ですが
大きく異なる点は、タイミングベルトでは無くチェーンになっている事です。
しかもチェーンはクランクから1次ギアまでで
カムギアは1次ギアからギアトレーン方式になっています。
さらにロッカーアームにローラーが付いていて
カムと接触した時に回るようになっています。
フリクションロスを少なくするための工夫なんでしょうね。



 

純正カム(外側の2本)と戸田のハイカム(内側の2本)です。
こうやって並べただけでは違いはわかりませんね。



 

こちらはカムギアです。
戸田のカムギアはスライド機構が付いていて
バルタイの調整ができるようになっています。



 

カム山のアップです。
山の高いミッドカムの頂点あたりの形状が
若干違うのがわかりますか?
ハイカムのほうが丸くなだらかで
純正はとがった山の形状をしています。



 

カムを組んでカムギアを取付けました。
クランクを上死点に合わせた状態で、カムギアのズレをチェック。
本来向き合うはずの「IN」と「EX」のTDCマークはこんなにズレています。



 

それもそのはず、1次ギア自体がこんなにズレているんだから
カムギアがズレないわけが無いですよね。
本当なら左右のマークがヘッドの面に揃うはずなんですが、
向かって右側は上にズレて左は下にズレています。
ヘッドの面研をしてあるのでこういったズレが出るんです。



 

そこでこのズレをスライド式のカムギアで調整してやるんですが
その前にバルブクリアランスをきっちりと調整しておきます。



 

いよいよバルタイの調整にはいります。
NSXやシビック同様V−TECをハイカム側に切り替えた状態で
調整してやらないと本当の調整にはなりません。
(ローカムのバルタイとっても意味ないですもんね。)
V−TECはエンジンの油圧で制御しているのですが
ごらんの状態では油圧はかからないですよね。
かわりにエアー圧をかけてV−TECを切り替えます。

この車もサーキット専用車なので、低速域はあまり重視せず
高回転向きのバルタイに調整してやりました。


 
 

で、ここからはオマケの作業。
S社長がアルミのプーリーを持ってきたのでついでに交換しました。
これはクランクプーリです。
こんなに大きさが違って大丈夫なんだろうか?
ちょっと不安・・・



 

クランクプーリーだけでなく、全部のプーリーが交換になります。
なんでもこのプーリーは2台分限定の特注品だとか。
効果のほどはどうなんでしょうかねえ。
回転系が軽くなるのはレスポンスアップにとって
イイことだとは思いますが・・・



 

専用サイズのベルトをかけて終了です。

さあ、パワーアップしたことですし
NSXのタイムにどこまで迫れますかね、S社長!
まさかハチロクにやられたりしませんよねえ・・・