FD3S LSD ファイナルギア 装着作業の紹介です。

★FD3S「OS」LSD+ファイナルギア交換★


前回「OS」の3速クロスを装着したニノさんですが
やはり1・2速の加速が厳しいようです。
そこで、ファイナルをノーマルの4.1から4.3に変更しようと
いうことになりました。
どうせデフをバラすんだから、いっしょにLSDも装着する事に。
チョイスしたLSDは当然「OS技研」のスーパーロックLSD。
組み合わせるファイナルギアは後期型の純正品です。

それぞれにファイナルをかけてみると

      ノーマル  クロス+4.1  クロス+4.3
1速   
13.616   11.127   11.670
2速   
7.798    7.138    7.491
3速   
5.363    5.195    5.448
4速   
4.100    4.100    4.300
5速   
3.112    3.112    3.264

と、いうかんじになります。

1速の発進はきついのに変わりはありませんが
2速はだいぶノーマルに近づいています。
3速から5速まではノーマルより加速重視のギア比に変わります。

部品が揃ったところで、作業開始!



キャリアを車から降ろし
カバーを外してデフ本体とリングギアを外します。





これが純正のデフです。
FDはノーマルでもヘリカルタイプのLSDが入っているのですが
しょせん純正、効きはイマイチです。





ナットを緩めてコンパニオンフランジを外します。





コンパニオンフランジが外れたら、キャリアからピニオンギアを
抜き取ります。





4.1と4.3のピニオンギアの比較です。
どちらも歯数は10枚なので
どこが違うのかよくわかりません。
左側の白っぽいのが4.3です。





お次はリングギア。
これも白っぽいのが4.3です。
ピニオンの歯数が10枚でしたので
こちらは41枚と43枚になります。




毎度おなじみ、デフの仕様の刻印です。





OSのデフに新品のリングギアと、こちらも新品のサイドベアリングをセットします。





ピニオンシャフト用のベラリングも新品交換になりますので
アウターレースをキャリアから抜き換えてやります。





これはピニオンギアの突き出し量を調整するためのシムです。
厚みが何種類もあるため、あらかじめ揃えておく必要があります。
実際に組んでみないとどれが合うのかわからないので
1枚だけ取り寄せるわけにはいかないんです。





とりあえず適当なシムを選んで(通常真ん中あたりを選びます)
ピニオンシャフトにはめて、その上からベアリングを圧入。
歯当たりが決まらないと、この作業を何度も繰り返すことに・・・





スペーサーを入れない状態でコンパニオンフランジを
仮組みしてやります。
スペーサーが入っていないので、締めすぎに注意!
ベアリングのプレロードを確認しながら
少しづつ締めていきます。





デフ本体をキャリアに組み付けて、バックラッシュの調整。
バックラッシュもサイドベアリングの両外のある
シムの厚みを変えることで調整するためこちらのシムも
何種類も用意しておかなければいけません。





リングギアに光明丹を塗って歯当たりのチェック!
リングギア外周の4箇所ぐらいで確認します。





オレンジ色の光明丹がはがれている部分が
歯当たりのポイントになります。
これがセンターにくるように調整してやります。
通常1回で決まることはほとんど無いので

再度バラして、ピニオンのベアリングを抜き→シムを交換
→ベアリングを圧入→コンパニオンフランジ仮組み
→デフを組んでバックラッシュ調整→光明丹で歯当たりチェック

という作業を何回か繰り返すことになります。
ピニオンのシム厚が変わるとバックラッシュも
変化するのでそのたびにシムを変えて調整します。

文章にすると簡単に思えますがこれがけっこう大変なんですよ!
いつも最初の1回目の時は「一発で合ってくれ〜〜」と
祈りながら歯当たりチェックをやってます。
(でも、世の中そんなに甘くない・・・)





ここに入るシムの厚みを変えることでピニオンギアの位置が
矢印の方向に変化します。
キャリアに対してベアリングの位置は固定になるので
厚くすれば左側に、薄くすれば右側にギアの位置が動きます。

歯当たりが決まったら、もう一度デフやコンパニオンフランジを外して
スペーサーやオイルシールをくみこんでピニオンの本組みです。





スペーサーは新品に交換してやらないといけません。
右側が元々入っていたスペーサーです。
新品に比べてツブレているのがわかりますか?
本組みの時にはコンパニオンフランジを締め付けていくことで
このスペーサーがツブレていくんです。

で、ちょうどいいプレロードになったとこで
締め付けをとめると、ツブレたスペーサーが
その寸法を保持してくれるストッパーになるんです。

サーキット等でハードな走行を繰り返していると
スペーサーがさらにツブレてしまい
ピニオンギアにガタが出る事もあるようです。





スペーサーはここに入っています。
小さいベアリングの右側からコンパニオンフランジが
ナットにより締め付けられてきます。
スペーサーは大小2個のベアリングの間隔を保持する
役目をしているんです。
これが無いとナットはベアリングが動かなくなるまで
締まってしまいますし、ベアリングにもすぐガタがでてしまいます。

ただ、このスペーサーがけっこう硬いので
かなりの力で締めないとツブレてはくれませんけど・・・





もちろんオイルシールも新品交換です。
後からオイル漏れがでたらサミシーですからね。





カバーを付けて完成です。
あとは車にセットしてやるだけです。





今回交換した純正部品です。
ミッションにくらべれば部品点数はかなり少ないですね。

FDに限らず、ファイナルギアの交換は
加速力アップにはかなり効果的な方法です。
へたにエンジンをいじるよりよっぽど効果があったりします。
壊れるリスクも少ないですしね。
ただし高速をよく使う人にとっては上がツラくなってしまいます。
燃費も厳しくなるでしょうしね。

サーキットをガンガン攻めるような人にはオススメですね。
LSD装着と同時にやれば工賃の節約にもなりますしね。