FD3S LSD 装着作業の紹介です。

★FD3S OSスーパーロックLSD装着★

今回の作業は常連のKさんのFD3SにLSDの装着です。
Kさんはいつも当店の走行会に参加してくれています。
車はいわゆる5型ですが、280PSでは無い方のグレードです。
じつは彼はFDが2台目でして、前は前期型でパワーアップも
それなりにして走っていたのですが、今の車はマフラーのみで、
足廻り中心の変更でがんばっています。
ノーマルパワーにしてはけっこう速いのですが、ここでさらなる
タイムアップを目指してLSDを装着することに。
OSのスーパーロックLSDは効き具合やイニシャルトルクが
幅広い設定の中から選べるので(ほとんどオーダーメイド感覚!)
自分に合った仕様にできると思いチョイスしました。
Kさんはちょっと高めのイニシャルトルクながら、ジワッと効いてくる
タイプのセッティングにしました。

さあ作業開始です。




まずは邪魔になるマフラーやアンダーカバー等の部品を
取り外していきます。

 




デフキャリアが丸見えになった状態です。
デフオイルを抜くのも忘れずに。





ハブ側のロアアームを切り離して、ドライブシャフトを
左右とも抜き取ります。

 




FDはパワープラントフレームというシロモノで、デフと
ミッションが接続されています。
デフキャリアを降ろすのにこのフレームが邪魔になるので、
ナットを外して横にズラシてやらないといけません。




ミッション側のナットも緩めないと、パワープラントフレームは
ズレてくれません。
この時デフ側のナットを全部外してしまっていると、ミッション側を
緩めた時に一気にガクッと落ちてくるので注意が必要です。

 




プロペラシャフトをとりはずして、デフマウントのボルトを外せば
デフキャリアは降りてきます。

 




パワープラントフレームはこんな感じで横にズラシます。
デフキャリアもフレームをよけるように動かしながら降ろしていきます。

 




さあ、ここからがいよいよデフ本体の作業です。

 




まずはカバーを外して軽くチェック。
リングギアにも異常はなさそうだし、ベアリング類にもガタは
出ていなさそうですね。





キャリアからとりはずしたノーマルデフです。
FDは純正でもLSDなんですが、トルセンタイプなので
効きがとってもマイルドでもの足りません。
初心者にはこれぐらいでいいのかもしれませんが、
サーキットをガンガン走っているとやっぱり不満が出てきますねえ。





リングギアは再使用するので、細かく点検しておきます。
ギアの欠けなども見当たりませんし、歯のアタリも
イイ感じのようです。





ピニオンギアも点検しておきます。
ベアリングにガタも出ていないようですし、問題なしのようです。





さあ、いよいよOSデフの登場です。





OSのデフはカバー部分にイニシャルトルク等の仕様がわかるように
ナンバーが刻印(印刷?)されているんですけど、今回は注文時に
いろいろ言ったためか新たにマジックで書かれていました。
この数字の意味は左から・・・(マジックは読み難いので下の刻印で。)
減速時のカム角度が「25度」
加速時のカム角度が「45度」
プレッシャーリングのバネ荷重が「336Kg」
フリクションディスクの組数が「14組」
イニシャルトルクが「12Kg」
と、いうことで1.5ウェイのイニシャル12Kgのデフということです。
マジックの数字を見るとイニシャルトルクが
14Kgに変更されているのがわかります。





まずは新品のサイドベアリングをデフに圧入します。





続いてリングギアをデフにセットします。
デフとの接触面やネジ穴をキレイに掃除して、脱脂をしておきます。





リングギアを留めるボルトは掃除して脱脂した後、
嫌気性のネジロック剤をネジ部分に塗布します。





リングギアを嵌める時には暖めてから入れるのですが、
今回は暖めなくてもすんなり入りました。





デフをキャリアにセットする前にはサイドベアリングや、
リングギアの部分にたっぷりとオイルを塗っておきます。
キャリアにセットしてから、バックラッシュやプレロードの
測定・調整をしてやります。
FDはシムの厚みを替えて調整するタイプになっています。
シルビア等と同じ方式ですね。
ハチロク等はアジャストナットがあって、それを回して調整
するタイプになっています。





バックラッシュやプレロードを測る時には、あらかじめ
フランジを回してギアやベアリングを軽く馴染ませておきます。





測定・調整が終わればカバーを取付けて、デフキャリアへの
組み込みは完了です。





デフキャリアの両サイドのはドライブシャフトが入る部分の
オイルシールがあります。
このシールは後々オイル漏れの原因になりやすいので、
新品に交換しておきます。




もし再使用する場合にはシールのリップ部分に、
グリスを塗っておきます。
今回は新品を使用したので、元々グリスが塗ってありました。
写真に写っている白っぽい物がグリスです。




シール交換も終わり、デフキャリアを車に載せていきます。
キャリアASSYだとけっこうな重量があるので、ミッションジャッキを
使って作業をして行きます。
もちろん降ろす時にも使っています。




あとはドライブシャフトやマフラー等を元通り戻して
完成です。

OSのデフは独自の機構になっているので、
高イニシャルなデフによくあるタイトターン時の「バキバキ音」が、
出にくい構造になっています。
車庫入れや切り返し等の低負荷の時には、
ノーマルデフとほとんど同じ感覚で使えます。
ストリートメインの方にはオススメですね。
今回はイニシャルがちょっと高かったので、
若干音がでていましたが、他メーカーのデフに比べれば
ほとんど無いに等しいぐらいでした。

あとはオーナーさんのサーキットでのインプレッションを
待つだけですねえ。
ハードなLSDを使うのは初めての人なので、
(今までは全部純正デフ)最初はちょっととまどいが
あるかもしれません。
でも、乗りかた(アクセルの踏みかた?)をマスターすれば、
サーキットでの戦闘力はかなりアップするでしょうね。