FD3S ナイトスポーツ オイルキャッチタンク装着作業の紹介です。

★ナイトスポーツ オイルキャッチタンク装着★

作業レポートでも常連になっているケンシさんのFD。
「車が燃えた〜〜!!!」と
驚きの連絡が入ってきました!!!

それは大変だ!と話を聞いてみると・・・
エンジンルームから煙が出たので、慌ててボンネットを開けると
タービンのあたりから煙が・・・
「火もちょっと見えたんですよ〜〜」とのこと。
急いでディーラーに見てもらったところ・・・

どうやらタービンのパイピングからオイルが滲み出して
それがフロントパイプあたりにたれて燃えたようです。
滲んだオイルなのでたいした量ではありませんが
廻りにある部品とかに燃え移っていたら、本当に大変なことになってました。

なんでそんな所からオイルが滲むのかと言いますと・・・
ロータリーエンジンってブローバイガスがけっこう多いんですよね。
特にブーストアップとかしてたらなおさらに。
もちろんケンシ号もブーストアップしています。

ブローバイガスの流れは下の図のようになります。



 

エンジンで発生したブローバイガスは
ホースを通って再度エンジンに戻されて燃焼するようになっています。
緑色の「負圧時」の経路は初期型のみに装備されています。
エンジン内部とインマニが同時に正圧になるから効果がなかったのかな?

  赤色の経路のほうはタービン前のパイプに繋がっていますので
常に負圧なのでエンジンから吸うだけなんです。
ところがここにホースが繋がっていることが今回の原因なんです。

ブローバイガスにはエンジン内のオイル分が
けっこうな量含まれているんです。
そのオイル分がタービンに溜まってきて
パイプの継ぎ目とかから滲んできちゃうんですよねえ。

そこでFDに限らずハードに走る車は
オイルキャッチタンクなるものを装着します。
これは赤いホース経路の間に装着して
空気とオイルを分離させるものです。

オイルキャッチタンクの原理はコチラ↓



 

エンジンから多量のオイル分を含んだ
ブローバイガスがタンクに入ってきます。

オイルはタンクの底に溜まっていき
空気だけがタービン前のパイプに吸われて・・・・
と、原理はそうなんですが、現実はそんなに甘くありません。

ブローバイが元々少ない車ならおそらく大丈夫なんでしょうが
FDのブローバイはハンパじゃない!
ケンシ号は走行会にも参加していますけど
30分の走行枠が終るたびに、タンクを外して溜まったオイルを捨てています。
(サーキットではフルブーストかかってますからねえ。)

それだけ大量のブローバイですから
きれいにオイルと空気には分離してくれないんですよ。
どうしてもオイルを含んだ状態の空気が
タービンに向かって行くことになっちゃうんですよねえ。

そこで今回、対策としてキャッチタンクをダブルで
装着してやろうということになりました。
2個目のタンクに選んだのが
ナイトスポーツ
オイルキャッチ&エアセパレーター
です。

この製品は通常のキャッチタンクとは構造が違います。
通常のタンクは1度入ったオイルは、タンクを外して捨てるしかありませんが
ナイトスポーツの物はエンジン内部の圧が下がると
自然とオイルがエンジンに戻っていくんです。

そのため商品名にも「タンク」という言葉を使ってないんでしょうね。
これを現在付けているタンクとエンジンの間に装着して
1次フィルターにしてやろうという考えです。



 

確実にオイルを戻すため、タップでネジを切って
ニップルを装着してやりました。



 

このニップルからセパレーターの下側にホースを繋ぎます。
タンクの下側に繋ぐので、圧が下がれば戻っていくんですね。

もちろん戻すためには取り出し口より
高い位置にタンクを装着しないといけません。
位置が低いとホースの中に溜まっちゃいますから・・・



 

そして上側のホースを元々付いていたキャッチタンクに!
そしてキャッチタンクからタービンにという流れです。



 

タンクを2個にすることで、原理的には空気に含まれる
オイル分は激減するはずなんですが・・・

こればっかりはサーキットを実際に走ってみないと
現実的な効果のほどはわかりませんね。
あとはケンシさんのインプレッションを待ちましょう。

ということで念には念を入れて「火災対策」第2弾!



 

オイルが滲んでいたのは矢印のあたりでした。



 

写真ではわかりにくいので図にしてみました。
ブローバイガスは赤い矢印の部分からタービンに入ります。
そして緑の矢印の部分にある
ガスケットとゴムのリングのところから滲んできます。

これが青い矢印の部分に付くフロントパイプ等にたれて
燃えちゃうんですよねえ。
エアクリーナーと繋がるパイプとの間のガスケットからも滲むのですが
そこには熱くなるものが無いので大丈夫なんです。

ちなみに、ブローバイガスはフロント側のタービンにのみ入りますので
リア側のタービン廻りにはほとんどオイルの滲みはありません。



 

そこで「熱々の部分にオイルがたれなければイイじゃん!」
ということで、仕切り板を作ることにしました。
お得意のアルミ板工作のはじまりで〜〜す。



 

固定用のステーも取り付けてっと。



 

タービン・フロントパイプ側には遮熱材も貼っておきます。



 

仕切り板装着完了。
パイピングからたれたオイルは、仕切り板をつたって
熱々の場所を通り過ぎていく〜〜〜!
予想では・・・


これでブローバイ&オイル滲み対策は万全!
な、はずですが・・・
コレばっかりは経過を見ないとわかりませんね。

次回の走行会でタンクに溜まるオイルの量が
減っていることに期待しましょう!
そうなれば、タービンに入るオイルの量も減りますので
パイプからの滲みも少なくなりますからね。