シム調整 ホイールアライメント作業の紹介です。

★シム調整のアライメント★


国産車、外車を問わずほとんどの車種が
調整方法はカム式か、ターンバックル式を
採用しています。
ところが中にはシムの厚みを変えて調整する
という方式を採用している車があります。
この方式は古いタイプのダブルウィッシュボーンの
足廻りの車によく見られます。
アメ車が採用している事が多いのですが
国産車でもあるんです、この方式の車が・・・

  



そうですクラウンです。
と言っても写真の130系や140系までで
現行型のクラウンは違います。
昔からのフレームタイプの型だけで
モノコックボディになって変更になりました。
わかり易くいうと深リムホイールの履ける型の
クラウンはシム方式という事です。
一時期に比べると台数も少なくなりましたが
若い人には人気があるようで
まだまだ見かける機会は多いですね。

  



フロントの足廻りを下から写した写真です。
矢印の先がアッパーアームなんですが
このアームの付け根の部分にシムがあります。

   



実際の作業はエンジンルームでやります。
アッパーアームの付け根部分はじつは
エンジンルームまで延びているんです。
矢印の先にシムがあるのが見えますか?
このシムの厚みを変えてキャンバーと
キャスターを調整します。
この車は6気筒だったので良かったのですが
V8だとエンジンルームがいっぱいで
工具が入らず苦労します。

   



アームをフレームに固定しているボルトを
緩めるとシムの出し入れができます。
固定箇所は前後方向に2箇所あり
それぞれにシムが入っています。
前後でシムの厚みを変えることで
キャスターが変化します。

   



こちらはフロントのトー調整機構です。
最近の車と違ってパイプを使ったターンバックル
タイプになっています。
工具をかけれるようになっていないので
パイプレンチを使って調整します。
この方式はサビてパイプが固着してしまう
ことが多く、最近の車では見かけなくなりました。

このタイプの車はフロントのサス交換も
とってもたいへんなんです。

   



スプリングはフレームとロアアームに
挟み込まれるように付いています。
普通の車のようにボルトを緩めてサスとショックを
取り外すという訳にはいきません。
テンションロッドを外したり、ボールジョイントを
切り離したりと、かなり大掛かりな作業です。
ちなみに、赤い矢印の先の部分に
シム調整の箇所があります。

   



ついている場所が狭いので
スプリングコンプレッサーも入りません。

   



ボールジョイントを切り離してロアアームを
下に下げるとサスが外れてきます。
この時に気をつけないとバネがはじかれて
飛んでくるので、とっても危険です。

    



なにしろこんなに長いバネを矢印のぶんぐらい
縮めた状態でセットされているものですから・・・
しかもこのバネが硬くて重いんです。
こんなものが顔面にでも飛んできたらと
思うとゾッとします。
作業をしたことの無い人は
やらないほうが無難です。

   



作業が終わった状態を見ると
なんてことはないように見えるんですけどね・・・

このサスの方式はベンツの一部車種等にも
採用されています。
Sクラスにいたっては、クラウンの比じゃないほど
バネが長く、硬く、重いです。
V12のエンジンが載っているんだから
当然といえば当然ですけど。
はっきり言ってやりたく無い車種の1台です・・・
だって外す時、ムチャクチャ怖いんですよ!